◇お寺と神社
お寺と神社の違いがわかりますか?
お寺は、仏教の施設です。仏像があり、お坊さんがいます。仏教行事やお葬式、法事などでお寺に行った人もいるでしょう。
仏教は、インドでブッダという思想家が始めた教えで、約1500年前に日本へ伝わりました。「この世を生きることは苦しいことだから、あれが欲しい、これが欲しいという欲望をなくせば苦悩が小さくなる」と説いています。
一方、神社は、神道の施設です。
神道は、日本特有の信仰です。仏教はブッダの教えに基づいていますが、神道の神様はたくさんいるのが特徴です。八百万の神といって、太陽や山、雨、海などあらゆる自然の中に神様が宿っていると考えます。私たちの亡くなった祖先も神様です。
神社は、お祭りを開き神様を迎えるための施設として作られました。日本人は集団で稲作をしていたので、作物がたくさん実りますように……と祈る祭りを開いたのです。
日本人は、お寺にも神社にも行きます。正月に、両方で初詣でをする人もいます。なぜ日本人は、異なる宗教を一緒に受け入れられるのでしょう。
日本は、四季があり、気候も穏やかです。海に囲まれているため敵に襲われにくく、農作物も豊かに取れ、安心して暮らすことができました。いつも敵を警戒して、食べ物がなくてつらい状況なら、みんなで同じ宗教を信じることで仲間意識を強めたり、神様がいると信じることで苦しい状況を乗り越えたりするのですが、日本人には、その必要がなかったようです。=2面につづく